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<<   作成日時 : 2011/04/19 00:54   >>

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ご報告。

一カ月のイタリア(とフランス)の滞在を終えて
無事日本に戻りました。



日本を出れば大丈夫と高を括っていた花粉症に
酷い目にあわされた以外は
予定していた殆どの工程を無事終了して参りました。

時差ボケと多少の疲れがあるものの
元気です。



今回のヨーロッパは

南フランスでちょっとした本番があったのと

ボローニャで以前からお世話になっている先生と
次のオペラの仕事の為の準備をしたかったからでした。


南フランスは

マルセイユの近くのマリニャーヌ
映画祭で有名なカンヌ
カンヌ近郊のリゾート地フレジュス

と言う三か所の街で
ロッシーニの名作「セヴィリヤの理髪師」
のロジーナを歌うと言うものでした。


画像


こちらポスター。

画像


こちら一幕の衣装。
ちょっと「白雪姫」っぽいです。
これで楽屋の廊下歩いてたらオケの人皆に

「e' biancaneve!(白雪姫だ!)」

って言われました。


キャストは半分はイタリア人半分がフランス人
演出家はフランス人
指揮者はイタリア人
オーケストラと合唱は皆さんローマの辺りからはるばるいらっしゃってました。

ロジーナは勉強してあるとはいえ初役です。
とはいえ、稽古はたった2日間・・。

ちゃんとした劇場ではなく
それほど大きな団体でなくオペラの旅公演をやるような場合
こういう事は良くあるのですが

要するにその役をレパートリーにしていて
「いつでも歌えます」みたいな人ばかり集めて
短期間の稽古でやってしまう
(そうするとあまりお金がかからない)
と言う事です。

私は何故かオーディションでひっかかり
そんな訳で百戦錬磨のベテランさんの中に
ひとり初役が混ざってしまったという状況・・・。

カヴァーキャストの経験も多いですし
こういう事は初めての状況じゃないですが
いや・・なかなかスリリングでした。

3回公演がありましたが
衣裳の早替えが間に合わなかったり
レチタティーヴォを一つすっ飛ばしたり
ハプニングだらけ。

なかでも酷かったのは

小道具にせとものの小人の人形があって
それはロジーナの後見人バルトロが大切にしているもので
アルマヴィーヴァ伯爵が酔っ払いの兵士に扮して
バルトロ家に入って来る時にサーベルを振り回して壊してしまう
そしてバルトロが激怒する

というシーンが一幕の最後にあったのですが

一幕二場のロジーナのアリアの途中で
間違えて私が棚からおっことしてしまったことです・・。

ものすごい音がして
人形は可哀想に首から折れてこっぱ微塵・・・。


アリア歌いながら

冷や汗かきました・・・。


取り敢えず

「やっちゃった、あははー。」

的な演技をしながら
間奏の間に軽く片づけたりしてみましたが

結局使用人ベルタ役の子が
新しい小人の人形を途中で入れ替えに来てくれました。



アリアが終わって袖に帰って
さー演出家に怒られるぞって思ってたら。

「いやぁ・・・一つ新しい演技が増えて良かったよ
 面白かったから明日も人形壊してね。
 替えの人形いっぱい買ってあるから大丈夫!」

って言われました。



・・・・・。


えーーー?

それでいいんだ??



フランス人・・・心広いなぁ。



それで次の日。

いくらなんでも人形が可哀想だし
今度はちゃんと棚から落とさずに歌い終わったんですが

会場に居たテノールの奥様の話では
近くの席に座っていた
二日間連続で聴きに来ていたおばさまが

「ロジーナの子は今日は人形壊さなくて良かったのかしら??」

って心配していたそうです。



最初からそういう演出だと思ったらしい・・。



・・・・。


いやっ。

違うんですけどーー。




とにかく

ロジーナも初めてだったけど
3日間連続でオペラの本番ってのも初めてで
最終日には疲労困憊で
舞台袖に戻る度に放心状態になったのも初めてで

何だかハチャメチャな本番でした。


でも何だかとても楽しかった。
本当にキャストの皆さんがベテランで
みなさん素晴らしかったし。

レチタティーヴォで
お客さんが笑ったりしてくれているのが
肌で感じられたし

最終日は最後にお客さんが
スタンディングオベーションしてくれて
とてもとても温かかったです。

やっぱり
こういう楽しいオペラはいいなと思います。

やる方も見る方も
気持ちが温かくなります。


日本で起きている事を考えると

「私、今ここで何してるんだろう
 こんなことしてていいのかな・・」

って何度か思ったけど
フランスのお客さん達の笑顔を見て

「いやこれでいいんだ」

って思い直しました。

この経験がいつか活かせる日がきっと来る。





公演後はボローニャに戻って

師匠のレッスンに通って
9月に日本で歌うフランスオペラの準備を
ひたすらしておりましたが。


印象的だったのは

ミラノやボローニャなど
イタリア在住の日本人の方々が

東北の被災地支援の為に
チャリティーコンサートや
様々なイベントを次々と企画して
義援金の寄付をし続けている事で

またそこに
本当に沢山の人が訪れて
協力して下さっていると言う事でした。


私はボローニャで
お世話になっている音楽家の先輩方が企画した演奏会に行きましたが
在住の日本人だけでなくイタリア人のお客様で
本当に会場がいっぱいで

出演された方々の演奏も素晴らしく
特に日本語の曲は本当に胸が熱くなりましたし、

その演奏に対する本当に惜しみない
温かい拍手に涙が溢れて仕方なかったです。

最後に全員で歌った「ふるさと」が
「サンタ・チェチーリア」の名前の付いた
古いAuditoriumいっぱいに響いて
何だか不思議な感覚でした。


フランスでも
稽古の合間、ホテルでの朝御飯、

「よしこの家族は大丈夫なの?
 日本は今どうなってるの?」

とキャストのみんなが声をかけてくれました。

パソコンから転送されてくる携帯メールにも
何度もイタリアの友達から
「大丈夫?」と連絡がきました。

ヨーロッパでの日本に対する報道が
すこしオーバーになっているという話もありましたが

地球の反対側で
こんなにも日本の事を心配して
何か力になってあげようって思っている人が
いっぱいいるのだと思うと

胸がいっぱいになりました。




私も何かしなければ

と思います。




タイミング良く
ミラノの友人が声をかけてくれて
滞在中に一度だけチャリティーコンサートに参加出来ましたが。

それきりで。


帰って来てから
節電や募金など
取り敢えずの事はやって見ていて

なによりもまずは自分が
ちゃんと生活する事ですし

この先決まっているお仕事を
しっかりと勤め上げる事とは思いますが


何かそれ以上に
音楽を通してやれる事はないかと
本当に考えているところです。

音楽が必要になるとしたら
それはもっと後の話なのかもしれないですが

必要としてくれるところがあるならば
何処にでも行って歌いたいと

そう思っています。




関係ないけど


成田空港からの帰り

電車の窓からまだ咲き残っている桜を目にしました。


何があっても季節は巡ります。

桜の花が花弁を落として
緑の葉が少しずつ芽吹くように

ちょっとずつでも

物事が良い方向に変わっていきますように。







取り急ぎご報告。

近日中に今後の公演予定UPしようと思います。

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