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zoom RSS 日本人として〜演奏後記・智恵子抄〜

<<   作成日時 : 2011/06/19 23:15   >>

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梅雨ですね。

紫陽花が綺麗です。


じめじめしてうっとおしいというのが

一般的な感じですが


私は割とこの季節が好きです。



歌い手のくせに

普段のテンションが低すぎるとか

よく友人に言われるほど

もともと根っからパーッと明るいタイプではないんですが


雨の音をなんとなく耳にしながら

ボーっとしてるの好きですね。


残念ながら決して何か

高尚な考え事をしているという訳ではないです。


ボーっとするんです。

何とはなしに。



さて。

またちょっと時間が空いてしまいましたが

5月の終わりに群馬まで行ってきました。


「智恵子抄」


大理石の素敵な建物

文学館のロビーのピアノを使い

二階に上がる大きな螺旋階段をステージに見立てて

なかなか実験的な上演の仕方でした。


光太郎はじっと立ちつくし

朗々と朗唱を続け

智恵子は光太郎の思い出の中の姿として

見えない光太郎と対話を続けました。


一度も目を合わせない

まるで朗読劇のような演出。

本来のオペラ公演では

ちゃんと舞台装置があり

智恵子と光太郎のからむ演技が普通にあるのですが

アクティングエリアの少ない環境の中で

アイデアを凝らした演出方法でした。


でもこれがまた

実に面白かったような気がします。


智恵子と光太郎の魂が

ここではない何処か尊い場所で繋がっているような

そんなイメージが歌いながら湧いてきました。



私の演奏は

いつもながらに反省点の列挙にいとまないものですが

特に後半

智恵子が狂ってしまって子供返りしたかのような

とても純粋な音色が必要な場面で

うまく声のコントロールが出来なかった・・と思います。


un filo di voce 声を一本の糸のように


イタリアオペラのヴォーカルスコアに

時々書かれている指示です

そんなイメージで歌いたかったのですが

響きをなるべくつけまいとして歌うと

どうしても固い声になってしまいました。。


その前の狂乱のシーンで

ハイCまである長いカデンツなど

アクロバティックに声を使わなければいけなく

そこで消耗したのかもしれないです・・。


ペース配分。

また今回も課題だと思いました。




ですが

それはさておき
(置くなって(−−))

一葉さんを歌った時にも思ったのですが


今回の智恵子抄も

100席以上の椅子があっという間に埋まり

智恵子の狂うシーン・最後の死ぬシーンでは

会場から鼻をすする音があちこちから聞こえました。


原作の力

音楽の力


それも勿論なのですが

日本語で感情がダイレクトに伝わるという事は

本当にすごいことだなぁと思います。


何を今さらという感想ですが。



日本人なのに

なんで外国語のオペラに傾倒して

しかもイタリア語の発音に拘って勉強して


私何者なんだろう・・・。

って留学中よく思いましたが。



こういう風に

日本の誇るべき文化、文学を題材にして

日本人の心にすっとなじむ旋律を

クラシックの声楽の技術を活用しながら演奏させて頂いて

それがお客様の心に伝わる。


その場所に自分が参加していること

歌い手としてそこには一つも迷いがないし

何よりなんてありがたい事かと思います。



聞き終わって

作曲の仙道先生の手を握って

「長生きしておいて良かったです」

とお声をかけてくださったご婦人がいたそうです。



心から

「歌えて良かったなぁ」と思いました。




ヨーロッパの先人たちが築いてきた

クラシック音楽の崇高な世界は

その精神性においても技術においても

本当に素晴らしいものだと思います。



でもやはり

日本人として

こうした音楽文化の場にいられることを

大切にして行きたいなと思います。


それに

こういうことを

逆に外国で出来たらいいのになぁ。

と、ちょっと夢に思ったりもしています。



そんな訳で今回も

お声をかけてくださった仙道先生

素晴らしい共演の江原さん、牧野さん、裕子ちゃん

お世話になった土屋文明記念館の皆様

そしてお出で下さったお客様

すべての皆様に


心よりの感謝を



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