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zoom RSS おらが町の一茶さん〜演奏後記・オペラ「小林一茶七番日記」〜

<<   作成日時 : 2011/11/11 00:02   >>

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立冬。

が過ぎました。


本当に急に寒さが増してきました。

デスクワークのお共に
温かい紅茶を入れながら
季節の変化を感じているところです。

あ、生姜入れれば良かった・・。


さて
先月10月22日に長野県信濃町で

そして
先日の11月3日に千葉県馬橋で

歌ってきました。


小林一茶七番日記


どちらも満員のお客様にお集まりいただいて
共演の皆様の演奏も素晴らしく。

本当に良い公演になったと思います。



長野県信濃町、
一茶の故郷の町での公演が実現したのは

昨年の日暮里でのこの作品の初演をご覧になった町の方々が
是非とも一茶の故郷、わが町でもこの作品を上演したいと

実行委員会を立ち上げ
スタッフ集めや、会場づくり、宣伝広報
私達の食事の用意まで

本当に何から何まで
町の方々の強い熱意と大変な努力があってこその事とお聞きしました。

ありがたい事と本当に思います。


公演の前には
町の方に案内して頂き

一茶の弟が住んでいた屋敷や
一茶が最後に住んでいた
火事で焼け残った土蔵なども見学
当時の生活を思いながら

記念館にも訪れ
一茶の墓前にも手を合わせて来ました。

少しでも一茶の世界に近づいて
その世界が体現できればと思いました。

一茶の菩提寺である明專寺のご本堂で
一茶の俳句を歌う。

私達もとても特別な緊張感を持って
本番に臨めたような気がします。


でも何よりも

町の皆様の「小林一茶」に対する深い愛情。


それに本当に感銘を受けました。


この作品では一茶役や一瓢役が
自分の俳句を歌う他に

私達ヒバリとウグイスという「鳥」の役が
パタパタと舞台に飛んで出て来ては

一茶になったり
一茶の嫁になったり
俳句に出てくる動物になったり
色んな物の化身になって
一茶の世界観を表現していくという形なのですが

そうして一つ一つ
俳句が歌われていくと

「ああ、今度はこの歌か」
「おお、この歌はこういう音楽になるのか」

客席からお客様の心の声が聞こえてくるような
そんな暖かい空間でした。


そしてこの作品の素敵なところは

最後の部分に
一茶の生涯を追った本編とは別に

「蛙の合唱」

という一章がつけられているとこで。


その部分の大人の蛙のパートと子供の蛙のパートは
町の方に歌っていただいたんです。

これが本当に皆さんお上手で!!

特に子供蛙は

「親分と見えて上座になく蛙」
「車座になる蛙」
「ぼうぐいに登った蛙」

一茶の俳句に出てくるいろんな蛙の表情を
本当に上手に演じてくれました!

みんな普段お寺に勉強に来ている子供さんたちだそうで
チームワークも抜群!

これにはお客さんも大喜び。

最後は一茶も一瓢上人も加わって
「ゲロゲロ」と全員で合唱。

会場からは手拍子も沸いて
本当に暖かく楽しい本番でした。


そんな場所に居合わせることが出来て
幸せだなぁととても思いました。



そして

場所を変えて千葉での公演は

やはり一茶ゆかりの馬橋の商人
大川立砂の菩提寺である萬満寺のご本堂

こちらの公演も同じように
また素晴らしかったです。

共演者の皆さんも
回を重ねて練られた表現が際立っていました。

「なるほど、そう来ましたか・・
 ・・ではこんな返しはどうですか?」

一茶と一瓢の連句の間合い。

二人が本当にお互いの句を味わいながら
その場を楽しんでいる。

その雰囲気が本当に素敵で。
何とも言えない臨場感だった気がします。

50を過ぎて初めて嫁を貰う場面。
恥ずかしそうな一茶の表情に
客席からもクスクスと笑いが。

せっかく授かった子を
幼くして亡くしてしまう場面では
すすり泣く声が漏れていたそうです。

そしてこちらの子供蛙は
お寺の御嬢さんお二人とそのお友達。

たった2,3回の稽古で
セリフも動きもバッチリ覚えてくれました、すごい!

ユーモラスな子供蛙の動きが
お客さんの笑いを誘うようなとこも
何度もあって本当に上手でした。


ちなみに一茶とこの大川立砂の関係ですが

一茶は江戸に出ると
この大川立砂のところに奉公に行っていたそうです。

立砂は油問屋でありながら俳人でもあったので、
一茶が俳句の道に入ったのは
立砂との関係があったからと言われます。

一茶は自分の町にゆかりのある人。

馬橋の方々もまた立砂を通じて、
一茶への特別な親しみを
持っているのだなと思いました。



長野の公演の打ち上げの席で
実行委員の方が仰った言葉で
とても印象に残った言葉があるのですが

「一茶がいたからお会いできたのよね
 だから一茶さんに感謝しているのよ」

とおっしゃっていました。



考えてみれば

何百年も前にたった一人
天才的な俳人がいて

その作品を後に残そうと
私財を投げ打って活動した人たちがいて
そしてその活動を後世に繋げる人たちがいて

小林一茶と言う名前が何百年も後の
今でも全国に知れ渡っている

そしてそれをオペラにしようという作曲家がいて
それの上演を実現しようと努力する人たちがいて

それを聴きに来て感動して
また新しく「一茶」を知っていく人たちがいて・・


本当に沢山の人たちが

「小林一茶」

と言う人とその作品を通じて出会って、
一つの場所に集まって心を通わせて

大切な時間を共有して
大切な絆をまた深めていく。


江戸と現代
長野と千葉

途方もない時間や距離を超えて

今もなお「一茶」が人と人を繋いでいく。



その事の凄さと言うか。

尊さ。


のようなものを

今回の公演ではすごく感じた気がします。


勿論それも
もともとの一茶の作品とその人の
素晴らしい魅力があってこそ。


だって

会う方会う方、どの方も
まるで三軒先に住んでいる近所のおじさんや、
親戚のおじさんを呼ぶみたいに

「一茶は・・」

って言うんですもの

面白いし、考えたらすごい事ですよね。





そう考えると
自分の演奏は全然

一茶の世界にも

それにインスピレーションを受けて
仙道先生が描きたかった世界にも

足りないところだらけだったなぁと思います。



それでも。

また一つ大切な財産を頂いた気がします。


また歌える機会があるといいな。




本当に今回も

お世話になりましたすべての皆様に
全ての素晴らしい出会いに

心からの感謝を


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一茶のお墓。
皆で手を合わせていると小雨が。

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「やたら」
長野で実行委員の皆様が作って下さった郷土料理。
すごくおいしかったです!!

画像


長野公演の子供蛙さん達と。

画像


長野公演の後。
出演者の皆さんと明專寺のご住職の息子さん。

画像


所変わって馬橋の萬満寺さん。ほんとに立派なお寺です。


さて、11月は
毎年恒例、横浜で小学校のワークショップのお仕事です。

今年は二校。
午前中の授業の日は早起きが大変ですが
元気いっぱいの子供達が待ってます。

頑張らないと!


12月の公演案内も近日中にUPします。

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