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zoom RSS ただいま日本。〜演奏後記・トリエステ歌劇場「カルメン」〜

<<   作成日時 : 2013/02/23 00:03   >>

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ああ。


帰って参りましたニッポン。

一か月ぶりです。


帰って来た途端。

謎の胃腸の不調(言いにくいな)に見舞われ

丸二日ほど寝込んでしまいました。


時差ボケとかそういう話でなく

どのみちベットの中って言う。

ね。



疲れが出たんだと思います。

或いは帰りに寄り道したパルマで遊び過ぎたか。


いや。

そんなに遊んだかな?

飲み過ぎてもないし

食べ過ぎてもないしな。。

はしゃいだか。


ま。



何にしても緊張を強いられる一か月を過ごしたという事だと思います。


2月9日歌って来ました

トリエステ歌劇場公演「カルメン」

ミカエラ役でイタリアの歌劇場にデビューです。


おおー。


まだリンク切れてないと思うので劇場のHPも貼っておきますね。

トリエステ歌劇場


デビューと言っても

正しくは初めてイタリアで歌ったのは2005年
ペーザロのロッシーニ音楽祭の中の
若手歌手公演「ランスへの旅」がデビューなんですが。

あれはいわゆるワークショップのようなものの
最後に公演があるという形でしたし
大きな音楽祭の一公演とはいえ、学生の域を出ないものです。


トリエステの歌劇場と言えば
イタリア国内でも一応Aランクの歴史と伝統のある劇場です。

そのシーズンの一演目に
ちゃんとお仕事として参加する。

これはまた全然違う話なんですよね。


きっかけは

日本芸術振興協会が年に一度行っている

イタリアオペラ歌手オーディション。


これなんと、日本に居ながら
イタリアの劇場のオーディションが受けられるというもの

こんなこと普通ありえなくない?

と思って実はちょっと半信半疑で受けたんですけど。


ホントに受けられた。

ビックリでした。


そしてなんと合格通知が届いた。

ビ・ビ・ビックリでした。



その二か月後には本当に劇場からオファーが来て。

「カルメン」のミカエラ役で
全6回公演のカバーと
うち一日だけ本公演への出演という契約書が届き

色んな人に
沢山助けて頂きながら

あれよあれよと
イタリア大使館にもヴィザを取りに行き

飛行機のチケットと
レジデンスの予約もして

気がつけば地球の向こう側
劇場の稽古場で音楽稽古の初日を迎えていました。



なんだか嘘みたいだと思いつつ稽古が始まり

カルメン役は
憧れのルチアーナ・ディンティーノさん。

あわわ、目の前で歌ってるよ。

あわわ、ピアニシモ綺麗すぎるよ。

どうやって出してんだよ。


とかホントは

自分の歌に集中しないといけない場面でも

いろんな雑念で頭をいっぱいにしながら

緊張する心と体をなんとか駆使して

横浜でも一回も上手く歌えなかったアリアを

ひや汗たらしながら歌って。。


気がつけば一週間二週間が

あわわと過ぎました。


心強かったのは

同じオーディションで受かった

大学の後輩、新垣有希子さんがフラスキータでのっていた事。

年下なんですが彼女、本当にしっかりしていて

歌は昔から勿論素晴らしいけど

言葉もまわりの共演者たちとのコミュニケーションも

私の倍以上ちゃんとしていて

約二年ぶりのイタリア滞在でペースの掴めない私にとっては

本当にお手本になりましたし

いろいろと相談にも乗って貰えて助けてもらいました。


ゆきちゃんありがとう。


こういう人の縁だって

幸せな事だなぁと思います。




ただ、生活に慣れて落ち着いて来た頃から

段々と気がついてきたのは

公演に向けて自分がやるべきことは

どれもこれも初めての事じゃなかったという事でした。


経験。

ってこういうことを言うのだと。


飛行機を取る事一つ

レジデンスを探して予約を取る事一つ

劇場に入ったら初めて会う人には必ず挨拶する事一つ

普通共演者とは敬称では話さないという事一つ

何もかも今までやった事のある事だし

既に知っている事でした。

そう考えると不思議と何だか落ち着きました。


そして

曲がりなりにも

一度歌ったことのある役。


これは気持ちの大きな支えになりました。

去年大変だったけど挑戦しておいて本当に良かった。

そうでなければ今回こんなに二つ返事で

「やります」とはとても言えなかったと思います。


可能性を広げてくれた

首都オペラの関係者の皆さんとの出会い

これもまた幸せなものだったのだと思います。


ありがたいです。



そして気がついたことが、もう一つ。


音楽を愛して

劇場で働いている人たちは

劇場を支えている人たちは

イタリアと日本と国は違えども

みんな同じ人種です。


本当にみんな

気のいい人たちばかりです。



通し稽古の次の日のGP

これから出番と緊張する私に舞台袖で


合唱のおばさまたちが

「sei brava! che bella voce ce l'hai! sai?」
(あなたブラーヴァよ〜。綺麗な声だわ!分かってる?)

と昨日の感想だか、励ましだかを笑顔で囁いてくれたり


キュー出しのスタッフさん(袖で舞台に出ていくタイミングを指示してくれる方)が
セカンドキャストでリハの機会の少ない私に

「Signorina Micaela, sa da dove entrare?」
(ミカエラさん、どの袖から舞台に出ていくかご存知ですか?)

と騎士のようにわざと敬語で丁寧に扱ってくれたり


その笑顔は

サントリーホールの裏で
神奈川県民ホールの裏で
文化会館の裏で

沢山見てきたあの笑顔と何一つ変わらないものでした。



きっとこの事も

ずっと前から知っていた事だと思うんですが。


オペラはやっぱり

時間をかけて

時にはぶつかりながら

お互いにお互いの役割を尊重しながら

何十人何百人と言う人達が

いい舞台を作りたいという一つの目標に向かって

創りあげていくものだから


いいんですよ。


勿論その表舞台に立つ一握りになるためには

熾烈な競争があったり

やっかみ、うらみ、いがみ合い

色んな事があると思いますが。


でも

いいものを創りたい。

その情熱は誰もが根っこに抱えているんだと思います。


そんなことを考えながら

イタリアの劇場の舞台袖にいて

イタリア人のおばさま達の

パワフルな「女工たちの喧嘩」のシーンを見ながら

何故か目頭が熱くなる私でした。




・・・あれ、何の話だ。


なんだか横道にそれました。



本当はせっかくだから

トリエステの街の紹介とか

ヴォ−ラと呼ばれる時には100キロを超える突風にあおられた話とか

美味しかった郷土料理とか

指揮者とか共演者とかがいかに素敵で面白い人たちだったかって話とか

演出は現代とトラディショナルの中間くらいでちょっと面白かったとか

地元のオペラ愛好会の会にキャストとして招かれて
アワアワ言いながらスピーチした話とか

劇場がスカラ座のミニチュア版でちょー可愛かったとか

なんかいろいろ書くつもりだったのに。


あと、肝心の演奏はどうだったのかとか。

ね。


えっと。

頂いた資料DVD見て確認したんですが。


まだまだダメなとこ沢山

でも成長したとこも沢山です!



分からないけど

カーテンコールでちゃんと温かい拍手を沢山頂けました。

だからきっと

お客様にもそれなりに喜んで頂けたのかなと思います。



勿論世界で歌っている人たちと

一か月一緒に居た訳ですから

彼らに比べて、自分に足りない部分

具体的にいっぱい見つけましたよ。


嬉しいです。

だってそれはこれからの課題!

何よりそれがハッキリしてきたことが収穫ですもの!



そんな訳で今回も

ここに名前が挙げきれないくらい沢山の方に

ご迷惑もおかけしつつ

助けて頂いて

お世話になって

応援して頂いて

こんな形でまとめてご挨拶するのは

大変失礼なのですが


本当に心から感謝をしたいと思います

ありがとうございました。



本当に良い経験でした。

これが色んな意味で先につながりますように

明日から頑張って行こうと思います。





あれー。

なんかちっともイタリア珍道中じゃなかったな。


お詫びに(?)最後に写真いっぱい載せときます。

画像


GP舞台写真:一幕のホセとの二重唱

画像


GP舞台写真:三幕アリア

画像


GP舞台写真:3幕フィナーレ

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GP舞台写真:カーテンコール

画像


9日本番:2幕楽屋で待ち時間(笑)

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公演最終日:憧れのメゾソプラノ、ルチアーナ・ディンティーノさんと。

画像


楽屋からの景色。トリエステは海の街です。

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フェラガモ バッグ
2013/07/04 05:36

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
 初めてコメントせていただきます。山口さんと同じ高校の8期でコーラス部の学指揮をしていた者です。イタリアでのデビューおめでとうございます。私もオペラファンである上に、こうして、同窓の山口さんが活躍していること、とてもうれしく思います。
 山口さんをオペラで見たのは一昨年、いつか見たいと思っていたトマのミニヨンを見たのが最初でした。名アリアなどの歌唱だけでなく、フィリーヌの人物、性格づけまでもとてもよく表現できていた山口さんが同窓と後で知ってビックリでした。その後、なかなか日程が合わず、去年のミカエラも結局聴くことはできなかったのですが、このブログを通して、山口さんが演奏家として、芸術家として、様々な人間の心と生き様を描く表現者として、真摯に演奏や自他の心と向き合い、活躍していることもいろいろ知り、本当に素晴らしいと思っています。これからも頑張ってください。機会があればまた、演奏を聴かせて頂きたいと思います。
8期学指揮
2013/02/23 02:04
8期学指揮さま。
コメントありがとうございます!えええ?東のコーラス部ですか?わーー嬉しい。オペラお好きなんですね。ミニョンを生で聴いてみたかったとは・・相当ですね(^^)b。しかもそこに偶然高校の後輩が出てたなんて!ブログ読んで下さって有難うございます。私は17期になります、8期の先輩方とはあまり面識がないのですが・・でもコーラス部の集まりとか何処かでお会いできる時があるといいですね(^^)。頑張ります。演奏会も良かったら来て下さいね。これからも宜しくお願い致します!
佳子
2013/02/23 13:45

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